甘加草原にある八角城遺蹟

中国の甘粛省の青海省堺にある八角城遺蹟に行ったのだが、八角城遺蹟は中国人にも
ほとんど知られていない。そして八角城遺蹟にまで行った日本人は殆どいないのではないだろうか。

八角城遺跡は中国の甘粛省と青海省の境の甘加草原の中にある。
甘粛省には河西回廊があり、そこはシルクロードの入り口で、城跡遺跡や、
漢代の長城の遺跡や、狼煙台などが沢山ある。しかし八角城遺跡は河西回廊にあるのではなく
青海省の方に向いている。西漢時代に初めて出来たらしいが、中原の王朝と吐谷浑、吐蕃、西夏、
嘶罗王朝などが争う軍事上の要衝であったらしい。

そしてシルクロードの河西回廊にある城跡とこの八角城遺蹟の違いは、城址遺跡の中に人が
住んでいることである。城址の中に70軒ほどの家があり、住んでいる住人は殆どがチベット族である。





八角城がある場所は、甘粛省から青海省へと続く甘加(カンジャー)草原の一角にあり、
甘粛省側にある。標高は2945mと高く、樹は殆ど生えていない草原にある。
八角城は実は八角形ではなく、下の写真の様に十字形をしている。十文字の形をした城で、十字形の中間に
空間があって、そこに人が住んでいる。八角城と言われるゆえんは、十文字の角を数えると八個あるからである。
しかし角が八個あるとか、十文字の形をしているとかは空から出なくては分からない。
この写真はGoogle の航空をキャプチャーしたものである。標高の2945mはGoogle Earth で調べた。



今の八角城ができたのは明の時代で、清代に至るまで常駐軍が居て、500年間はずっと軍事基地で
あったと、中国のネットで調べたらそう書いてあった。しかし現在は人家も稀な高原の中にある。
そして、今の八角城(実は十字形)の中には人が住んでる。城壁の遺構は完全に保たれている。

外から城壁を見ただけでは八角形か十字形であるかは分からない。



この辺りは昔は交通の要衝だったかもしれないが、今甘粛省から青海省に抜けるのに、
舗装した道も無く、ただただ広い高原が続いている。一年前私は、青海省から甘粛省に逆に
走ったことがあるので、樹が殆ど生えていない草原がずっと続いていることを知っている。








城壁の中から城壁を見る。城壁の内側には人家があるが、外側には人家が無い。
五月の初めなのにまだ樹は芽吹いていない。標高が高いせいで芽吹くのが遅いのである。




城壁の上にいるのは観光客である。



城壁の上に登る。



城壁の上に登れるのはいいのだが、遺跡の保護は全くされていないようであるる。



城壁の上から下を見てみると、動物は放し飼いで飼われているようで、
住人は服装からチベット人であるらしい。



観光客も少しは見える。



この家もチベット人のもの。チベット族特有の旗が見えるから。



八角城は中空の十字型をしているのだが、それらしくも見えるが、
確認はできない。城の内部はかなり広い



八角城古城の中では今でも人が生活している



チベット族の家。土壁で囲まれている。



観光用の馬に乗る。観光地になりつつあるがトイレが無い。男はいいのだけれど。



大きな城門。ヤクが放し飼いにされている。牛ではない。



馬もいる。チベット人の老婆もいる。



五月初めだというのに雪が降った。



雪の中のヤク。中国語では「牦牛」と書きモウニュウと読む



八角城に行ったのは夏河からである。夏河から峠を越えると
甘加(カンジャー)草原に入り、高原の草原が延々と続く。樹は殆ど無い。



出発地の夏河はチベット人の聖地である。夏河にはチベット人の巡礼者が大勢訪れる。
夏河からタクシーをチャーターして八角古城へ出かけた。夏河から八角古城まで33k。